ザ ミッション トゥ シーフェラーズ
MTS(Mission to Seafarers)は聖公会に属する世界的な船舶乗組員支援組織です。海員宣教と呼ばれることもありますが、主に、各地に寄港する船員たちの福利厚生の向上や心のケアを支援する活動を行っています。
訪船:入港した船を訪れ、域情報などを提供し、個々の船員の話を聞きながら、場合によってはカウンセリングなどを行います。
礼拝などのサービス:依頼があれば船上でのミサを行います。教派や宗教を限定しないよう配慮しています。
国際電話、郵便等の通信サービス : 家族と長期間離れている船員たちのために、国際電話がかけられるように手配し、手紙の郵送を代行することもあります。また、船員センターではWi-Fiサービス等を提供しています。
送迎サービス:必要に応じて、港から市街地、船員センターまでの送迎を提供します。
病院訪問:病気や怪我などで入院中の船員や、その家族への見舞いと支援を行います。
家族支援:船員が長期間不在の間、残された家族への支援を行います。
※ MTSの全スタッフは事前に税関から許可を得て訪船しています。
※ 港湾施設および船内での安全性についてはすべて現場の規則に従います。
MtS の活動
私たちは「船員」と聞くと普段接することのない遠い存在に思いがちです。しかし、あらゆる生活必需品を含む日本の輸出入全体の99.7%が海上輸送に頼っています。つまり、船員がいなければたちまちのうちに物流は滞り、必要な物資は届かず、多くの命がリスクにさらされる事態さえ起こりうるのです。私たちの日常生活を支えている船員たちの存在にもっと目を向け、働く彼らが置かれている現状や事実をきちんと理解する必要があるのではないでしょうか?
広大な海洋を航行するということは、常に命の危険と隣り合わせです。海上の過酷な環境と、半年から1年以上もの長期におよぶ航海の間、船員たちは様々な問題やストレスを抱えながら厳しい労働をこなしていきます。船内の限られた空間で過ごし、寄港地で上陸できても自由時間は短く、家族と連絡できる機会もあまり与えられないため、船員たちが感じる孤独や閉塞感は、私たちの想像をはるかに超えるものです。
1836年に英国のジョン・アシュレー司祭がこうした船員たちの孤独に手を差し伸べ、物資の援助に応じようと活動したところからMTSは始まりました。以来、世界中の港湾地域で、各地のMTSチャプレンやボランティアスタッフが、寄港した船舶を訪れ、地域情報を提供したり、仕事だけでなく家庭の事情の相談を受けたりなど、その時々の船員たちの悩みやニーズに寄り添う活動を続けています。
※ Flying Angel (フライングエンジェル)
フライングエンジェルは、訪船するMTSメンバーに対して、船員たちが親しみを込めて呼び始めたもの。
海上での公用語は英語です。
特に船員たちの国籍が違う場合は、船内でも英語で会話するルールになっています。そのため、船員たちの母国語で書かれた雑誌や新聞、地元の情報誌などがあれば、持っていくと喜ばれます。
訪船活動では、簡単な英会話で話しかけるだけでもかまいません。出身地のこと家族のことなど、単純な雑談が船員たちにとって外の世界とつながる大切な入り口になります。
「この港に来れば訪ねてくれる人たちがいる」という事実は、彼らにとって大きな助けになるでしょう。訪船によって多くの異なるバックグランドを持つ船員たちに出会い、また彼らを通して世界の現状の一端を見ることができるのです。
その他のボランティア活動としては、センターや教会などの施設がある場合、訪れる船員たちの世話をするセンターボランティアや送迎ボランティアもあります。
送迎ボランティアは、センターなどが所有している車両で、必要に応じて港から施設などの間を送迎します。
車はワゴン車が一般的ですが、マイクロバスなどを所有している団体もあります。センターボランティアは、施設の運営やそこに滞在する船員たちの世話をするものです。これらのボランティアにとって、施設内のWi-Fiや周辺の観光案内、医療機関の紹介や緊急時の対応なども大切な仕事ですが、何よりそこで船員たちとコミュニケーションをとりながら、彼らに寄り添う姿勢を持つことが一番大事な仕事になります。
ボランティアの勧め
日本では生活に必要な物流の9割は海からやってくるものです。言い換えれば、船員たちがいなければ日常は成り立たないということです。1回の航海でひと月以上拘束される場合もあり、常に厳しい環境で働かなければならない船員たちに、私たちができることは何でしょうか?
私たちの活動は「訪船」から始まります。
許可を得た訪船スタッフが直接港湾施設へ行き、停泊中の船舶にいる船員たちを訪ねるのです。
Volunteerについてのリーフレットを読むにはこちらをクリックしてください。